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刺繍ミシンにはアパレル系とスポーツ系がある
最近SNSで「業務用刺繍ミシンを買った」と書いている方を見かけます。
その多くは安価なB社の刺繍ミシンの事を言っています。
しかしB社は縫製用ミシンに特化していますが
業務用の刺繍ミシンの歴史はありません。
B社の刺繍ミシンを入れている刺繍業者があれば
それはプリント屋の副業か、あるいは最近始めたばかりの刺繍屋もどきです。
イラストレーターで起こしたデーターがそのまま刺繍に変換出来る、素晴らしい!
作業が時短になって凄いです。でも糸の入れ方が平板でまるでダメ。
この様な業者に企業の顔であるロゴを任せたり、革やシルク、Tシャツ、タオルなど
素材の難しい物への刺繍を任せるのは不安があります。
少々文字が歪んでも、シワの多い刺繍が有りなら、有りかと思います。
街のタオルショップが刺繍サービスで置いている多くがこのミシンを使用しています。
デモンストレーションで作業をしている所が見られますが
パートさんがやっているのでヒヤヒヤして私は見ています。
「あー、そんな枠の張り方じゃあだめじゃない」と、心の内で指導を入れています。
話は変わりますが、先日空手道場主の硬い帯に名入れをした時
針が折れてしょうがなく、泣きながらやりました。
糸が金糸だったので(普通色は染色ですが、金銀糸は普通糸に特殊コーティングしているので扱いずらい糸になります)
糸の目飛びもあり、4文字の帯一本を仕上げるのにかなり時間がかかりました。
検針機で何度も何度もチェックをして、折れた針を全て取り除きました。
お渡しの時に「うちの刺繍ミシンはアパレル系なので硬いものは入りません」とお断りを致しました。
業務用の刺繍ミシンにはスポーツ系とアパレル系があります。
スポーツ系が多い所ではバルダン社のミシンを入れている所が多く
アパレル系はタジマミシンの所が多いかと思います。
うちはアパレル専門なのでタジマミシンを使用しています。
勿論タジマでも帯など厚物の刺繍は入りますが
厚物ができる太い針に変えなければいけません。
針を変えると糸の調整も必要になり、その後の糸調子も変わってくるので
アパレル専門の刺繍業者が硬くて厚みのある素材をお断りするのはそう言う理由が有ります。
どこのミシンを使っていますか。と聞けば、
キャリアや長けた分野が分かります。