帽子の刺繍について

今回は、帽子に刺繍を施す際のポイントについてお話しいたします。

帽子は立体的で湾曲した形状をしているため、刺繍の中でも難易度が高い部類に入ります。
特に、帽子専用の刺繍枠(帽子枠)は完全に布地を固定することは難しく、
ミシンの稼働中に生じる微細な揺れによって、刺繍のズレが発生することがあります。
そのため、仕上がりが同じデザインでも帽子ごとに微妙に表情が異なることがあります。

刺繍のズレを防ぐためのポイント

帽子刺繍を安定させるためには、以下の点に注意することが重要です。

  • ミシンのスピードを上げない
     帽子刺繍では、布の揺れが刺繍ズレの原因となるため、高速での稼働は避けましょう。スピードを抑えて丁寧に縫うことで、安定した仕上がりになります。
  • 鍔(つば)の形状に合わせた型を作成する
     直線的な文字であっても帽子の形状に合わせて型の作成をします。
  • 厚手の裏紙(安定紙)を使用する
     刺繍時の布のたわみや揺れを抑えるために、帽子の内側には厚めの不織布を添えてください。

針折れの防止策

帽子の縫合部分(布が重なっている縫い目)では、針が折れてしまうことがあります。そういった箇所に刺繍を入れる場合は、以下の対処法をお試しください。

  • 裏から軽く叩いて布を柔らかくする
    帽子裏側から布を軽く叩くことで、針の通りが良くなります。布を傷めないよう、必ずあて布で保護しながら行いましょう。

使用する刺繍糸について

スポーツ系の帽子など以下の糸が適しています。

  • ポリエステル糸 120デニール
  • レーヨン糸 120デニール

ポリエステル糸は耐久性、耐光性に優れている為、帽子刺繍においておすすめですが、難点は糸色が少ないことです。

帽子刺繍は難しと思うかもしれませんが、基本のポイントを押さえることで安定した仕上がりが実現できます。みなみ刺繍では、長年の経験と技術をもとに、帽子へのオーダー刺繍も丁寧に承っております。ご相談やご依頼はお気軽にどうぞ。