糸の解れを軽減させる工夫とは
刺繍を丈夫にする方法について、時々ご質問をいただきます。
結論から申し上げると、もっとも丈夫なのは「タタミ縫い」です。
糸が細かく密集しているため、引っかかりや糸の解れに強く、耐久性に優れています。
ただ、その反面、刺繍本来の魅力でもある立体感や、糸の流れるような美しさは損なわれてしまいます。
特にレーヨン糸は、独特の光沢感や艶、角度によって表情が変わる美しさが特徴です。
サテン縫いで表現した時の立体感には、やはり刺繍ならではの高級感があります。
では、見た目の美しさを保ちながら、できる限り丈夫に仕上げるにはどうするのか。
そこが、型作りの工夫や刺繍材料の選び方になると思っています。
例えば、幅の広いサテン縫いは、どうしても何かに引っかかりやすくなります。
そのため、必要以上に糸幅を広げず、端の処理を調整することで、引っ掛かりや損傷を軽減させることができます。
また、以前は職人側で手動的に加えていた「止め」のランニングステッチも、
現在の刺繍ミシンでは自動的に入るようになり、耐久性は昔より向上しています。
さらに重要なのが、下地に入れる「歩き糸」です。
これは表からは見えにくい部分ですが、刺繍全体を支える役割をしています。
そして、刺繍時に使用する下紙も非常に重要です。
布地の縮みや刺繍周りのシワを軽減するだけではなく、上糸と下糸を安定させ、
繰り返しのお洗濯でも刺繍を丈夫に保つ役割にもなっています。
みなみ刺繍では下紙には一般で使用するものより一段厚い紙を使用し、刺繍を安定させるようにしています。
刺繍は表面だけで完成しているように見えますが、実際には見えない部分での工夫が品質の向上へと繋がっています。
余談ですが、上手な職人さんほど、裏の処理も綺麗に仕上げています。
表が整っている刺繍は、裏側も綺麗に整っていることが多く、そういった部分にも技術の差が自然と現れるものです。





























































































